私の世界

社会人になったばかりの人間の日々不定期日記。ブログ名は 泣くな、はらちゃん から

愛の覚書

昨日は月曜日の授業としては最後だったので、先生に手紙をしたためた。1人はその日授業がある大変お世話になった先生、もう1人は前期に講義を取っただけの全く親しくない先生。

後者の先生に関しては、いやそもそもお前誰だよ、となる可能性もあったが、私は現実世界の人間を推す生活を始めて10年になるので、伝える後悔より伝えない後悔の方が巨大なことを知っていた。今日はその先生に手紙を渡した時のことを忘れないようにここに書き留めようと思う。

 

先生のオフィスアワーを聞き逃しており、その日授業があるという事実だけを支えに向かった研究室のドアは開いていて、覗くといらっしゃったのは先生一人だった。私の人生にはたまにこういう幸運がある。

お名前を呼んで、お時間大丈夫ですか、と聞くと、「はい」「大丈夫です」とぱきっとした返事をしてくれた先生に、「前期の授業が本当に面白かったので、最後に感謝を伝えようと…」と言いながら手紙を渡した。イギリスの素敵な美術館で買ったレターセットの中で、先生のイメージに一番合っていた紺と白の唐草模様のカード。

先生はとにかくびっくりしていて、「こんなことがあっていいんですか」と手紙と私を交互に見たあと、「ありがとうございます」と言ってくれた。やっぱり、逡巡する暇があったら渡してよかった。

その後、先生は私の話に付き合ってくれて、卒論のテーマを伝えると「ああ、それは絶対面白いですね」と、授業で演劇について話す時の、興味を湛えた表情と声で言ってくれた。就職するんですけどまだ学びたかったかもしれないと時々思うんです、と言ったら「アカデミアの世界はいつでも戻って来れますから」と言葉をくれた。

授業は毎回面白かったし、クールなのに自分の専門分野になるとオタク語りをして、学生思いで、って好きなところはいっぱいあるけど、いつだって誠実で嘘がなく生きようとしていて、熱心に大学教員という仕事に向き合ってる姿が一番好きなのかも。と話していて思った。

それら全てをひっくるめて、「勝手にファンです」と去り際に言ったら、ちょっとだけ困惑しながらも笑ってまた「ありがとうございます」と言ってくれた。

生真面目な目か、演劇について話す時の楽しそうな目ばっかりしか見た事がなかったので、私ただ一人だけに優しい目を向けてくれたことがとっても幸せだったなあ、と思う。もう早速記憶が曖昧になり始めているけど。

 

写真はしっかり断られて(今日は全然整えてないからだそう)、卒業式会えるかなチャレンジという新たな目標ができてしまった。

去り際に、心身ともにご健康でお過ごしください、と言ったら、そちらこそ、と丁重に返されてしまって、やっぱりその誠実さが好きだ〜。

 

学生最後の一年は、出会いと別れの繰り返し。

大学生になってまで、好きです!って言える先生に出会えるなんて思ってなかった。だからこれは自分の気持ちを大事に閉じ込めるための覚書。